ヒプノセラピー（退行催眠療法）をご存知でしょうか。ヒプノという言葉は、古代ギリシア語で睡眠を意味する言葉ヒプノシスから生じました。

　心の９０％を占めていると言われる無意識（潜在意識とも言います）に蓄積された、忘れられた過去の記憶やトラウマ、個々人に特有の物語を、催眠によって思い出すことで、現在抱えている問題に取り組む心理療法です。

　主に、幼少期や過去生に戻りますが、過去生の存在を信じている必要はありません。それぞれの人の心の奥深くに隠された物語、ストーリーと考えて下さい。その物語を意識（顕在意識とも言います）が自覚していなくとも、そこから生じた信念や想いは、私たち自身の生き方、身の振り方、癖などとして、人生に影響を与えています。

　ヒプノセラピーでは物語を通して、自分自身と自分が今置かれている状況を理解しようとします。例えば、人間関係等なぜ似通ったパターンを繰り返すのか、なぜ今ある状況に直面しているのか、なぜ特定の信念を持ち続けているのか…等、その原因、理由、意味を、潜在意識に向き合うことで知ることが多々あります。そうして導かれた自分自身への深い理解によって、自然な受容が生じ、そこから新たな気づきや学び、癒し等を引き出すことができるからです。